やっぱり手作りパンが好き

ご家庭でのパン作りをとことん応援します。長年のベーカリー経験とパン教室経験にもとづく、超解りやすい解説を心がけています。

中種法の水分量の適正は?

 

中種に入れる水分量の求め方

 

中種法の場合、中種に入れる水分量はどのように求めれば良いですかというご質問をいただきました。

それを説明する前に、中種法って何??という方は、こちらの記事を先に読んでくださいね。

 

sizuasa.hatenablog.com

 

中種にどれくらいの水を入れたら良いかを考えるには、パン生地のトータル水分量を知ることが先決です。

まず一般的な食パン生地では、トータル水分量は65%から70%程度です。

なぜトータル水分量に5%もの差があるのかと言いますと、一般的な食パンとはいえ、例えば片や脱脂粉乳を使っているレシピであったかと思うと、もう一方は加糖練乳を使っていたりと言う事で、片方は粉ですし、もう片方は水分を含んでいますよね。

ですから、どうしても5%程度の差は出てくるのです。

更に、パン生地のトータル水分量を考える場合、適正云々よりも作り手の好みと言う要素が大変大きく関わります。

つまり、硬い生地の方が作業性が良いと考える人と、少しでも柔らかい生地の方が、作業性は悪くても出来上がりのパンが柔らかくなるから・・・という理由から適正は大きく変わってくるものなのです。

と言う事で、結局は自分の作るパンの水分量は、自分の力量に合わせて考えると言う事になる訳ですね。

レシピ本などでも実に様々な水分量が書かれているのは、実はその本の作者はこの水分でパンを作ってほしいという思いがありますので、本によってバラバラな表現となっている訳です。

そうは言っても、家庭で作る場合には、あまり水分が多くてベタベタしてもかえって良いパンになりませんし、全般的には硬めの水分量で書かれたレシピが多いと思います。

冒頭に、一般的な食パン生地で65~70%と書きましたが、ここでは65%として説明していきますね。

粉が1kgに対して水分が650gということですから、この場合中種に使う粉の量が何%なのかで、おのずと水分量も解りますね!

つまりは中種に使う粉の量が50%であったとしたら、   

650g×50÷100=325gとなります。

 

これが70%中種だとしたら、     

650g×70÷100=455gとなります。

このようにトータル水分量を中種と本捏ねに分けるのですが、ここで注意しなければならないのが ”トータル水分”であると言うところなのです。

どういうことかと申しますと、上記の計算だと70%中種には455gの水分が必要だと言う事になりますね。

しかし、それは全てが水とか限らないということなのです。

レシピに、例えば加糖練乳やら生クリームなどの水分を含む物を加える場合、それを中種に入れるのなら、その分の水を減らさなければなりませんよね。

本捏ねに入れる場合は、本捏ねの水をその分減らさなければならないわけですね。

ここで注意しなければならないのは、あくまで65%というのは水分の合計であると言う所なのです。

良くある質問で、牛乳で作るパンは生地が硬くなるという質問が多いのですが、牛乳には水分の他にも固形分が含まれていて、全部が水分ではないのです。

したがって、水だけの時と同じ量しか配合しなければ、牛乳の方が硬くなるのは当たり前ですよね。

このように、レシピに書かれている総水分量をよく見極めて中種と本捏ねに分けなければなりません。

水分を含む材料は水ものだけではありません。

特にパンに大きく関わってくる水分に、砂糖があります。

砂糖、つまり甘いパンを作ろうと思えば、その分の水を減らさなければならないことになりますね。

と言う事で、・・・あくまで総水分量で見る・・・これを憶えておいて下さい。

ちなみに中種は、発酵の間に生地がゆるんできますので、かなり硬めに仕上げるのがポイントです。

その分本捏ねに水分を回した方が、良いパンになりますよ(笑)

水の量だけではなく、パン作りのポイントを解説していますので、ぜひこちらもチェックしてみてください。

 

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