やっぱり手作りパンが好き

ご家庭でのパン作りをとことん応援します。長年のベーカリー経験とパン教室経験にもとづく、超解りやすい解説を心がけています。

作ったパンがなんかまずいと感じたら・・・

 

小麦粉の保管に注意

 

こんな質問をいただきました。

 

最近はさぼり気味だったパン作りを久々にトライしてみたのですが、いつまでたっても膨らんでこないのです。

イーストは材料屋さんで買ったドライイーストで予備発酵なしのものです。

仕方がないのでそのまま焼いてみましたが、とにかく最悪の味になってしまったのでした。

イーストの量を間違えたのだと思い、今度はしっかりと計りなおしてみたのですが、やはり時間になっても膨らんでこないのです。

 

レシピはネットで見つけた と言う事でしたが、レシピには何も問題はありませんでした。

いや~これは、ホームベーキング特有の問題点とも言えると思いますね~。

誠に残念ですが、小麦粉がカビているのですね。

小麦粉の管理というのは、じつは非常に難しいものなのです。

パン屋さんなら、三日に一回程度で新しい小麦粉が納品されるでしょうから、常に新しいものを使える訳ですが、家庭では一度に全てを使う事は出来ませんよね~。

賞味期限内なら、問題はないはず・・・とは言えないのです現実には。

どのように保存しているか、どこに保存しているかによって、カビはすぐにやってくるのです。

それから虫も・・・

パンはイースト菌の活動によって膨らんで来る訳ですが、カビ菌はイースト菌の最大の敵なのです。

粉にカビが入っていた場合、パンは膨らまないどころか、最悪の味になります。

場合によっては、膨らんではくるものの、なんか変な後味がする・・・ ですとか、何となく嫌な臭いがする様な気がする・・・と言うような経験はありませんか?

粉に生えるカビは、正直見えません。

まあ、見えるようなら誰も使わない訳ですが・・・

全体的にカビている場合もあれば、緑や黒い点々のようなものが見つかる事もあると思います。

小麦粉の場合は、特に表面にカビが発生する事が多いので、袋を開けた時にはまず初めに臭いを嗅いでみましょう。

新しい畳のような妙にわら臭い場合や、ツンとする刺激臭の様なものを感じたら、それはあきらめて下さい(~_~;)

また、表面にうっすらと緑色の抹茶をふりかけたような状態になる時があります。

こうなったら、間違いなくお腹を壊すでしょう。

小麦粉は、全てが一斉にカビる訳ではありません。

一番は表面、二番目は袋の底、三番目は側面と言う順にカビが発生します。

ですので、真ん中あたりはほとんどの場合大丈夫なのですが、そもそも取りだす事は難しいですよね(~_~;) ですので、やはりあきらめて下さい。

小麦粉の保存やカビについては、専門的には粉屋さんに聞いた方がベストだと思います。

ただ、気になったら使わないと言うのが一番でしょう(^0_0^)

ではどうして、賞味期限内であってもそうなることがあるのでしょうか????

それは、家庭内というのは、あまり小麦粉にとっては住みよい環境とは言えない場所だからではないでしょうか。

何が一番いけないのか・・・それは何と言っても ”湿気 ”ですよね~

それにハウスダストやゴミもありますし、何より生活している人間そのものが、意外と汚いのですよね~

菌の世界から見れば、人間はカビを運ぶ道具でしかないのかもしれません。

それ位人間は、あちこちにバイ菌をばらまきながら生活しているのです。

しかも、色々な食品が保存してある家庭では、カビの種類も数も非常に多いと思われます。

ペットを飼っている家庭も多いはずですよね(ー_ー)!!

小麦粉の袋を最初に開けた時、その家にある様々な菌が粉の表面に付着します。

それが、なかなか使われずに、しかも毎日適度に湿気のある環境の中にいると、粉袋の中はもうカビの最適環境になってしまうでしょう。

ですので、状況によっては、賞味期限内であってもカビの発生は十分に考えられるのです。

なんか怖い話になってしまいましたね~(@_@;)

もし、少しでもカビの発生を抑える事が出来る保存方法があるとすれば、

 

1、同じ場所に長期保存しない。

2、同じ状態で置いておかない。(たまに振っておく)

3、料理をする部屋や、湯気が立つ部屋では保存しない

4、他の食品と一緒に保存しない。(冷蔵庫は要注意)

5、濡れた手で袋にさわらない。

6、粉袋の中に空気を入れない。 (空洞を作らない事)

 

そんなところでしょうか。

パン屋さんと違って、空気中に良い菌が少ないのが家庭です。

パンをどんどん作る事で、室内に良い菌が多くなりますし、手にも乳酸菌が増えて行きます。

人間の手が、意外にも雑菌の宝庫であることは皆様何となくはご存知の事と思いますが、そう思えないし、思いたくないですよね~

ちなみに、小麦粉をフローリングの床などにうっすらと振りまいて、上からビニール袋でもかぶせておくと、翌日には緑色のペーストに変わっていると思います。

それ位条件が整えば発生が早いのがカビなのです。

小麦粉の管理は、ホームベーキングではとても重要かもしれませんね(*^_^*)