パン屋さんのような一日を体験しましょう
これを書いているのは 2011/08/30 ブログを始めてたぶん3年位だと思いますが、うれしいではありませんか。
何がって?・・・・・・訪問者が増えた事ですよ。
そしてよくぞ探し当ててくれたものです、こんなつたないブログを・・・・
さらには、本業に支障が出る位の質問の嵐・・・・ 予想はしていましたが、質問者の多くは家庭でホームベーキングされている方々が圧倒的多数で、海外の方も多い事。
予想外だったのは、意外に男性が多い事。
そして質問の細かい事細かい事 (ー_ー)!!
パン屋さんもこれ位色々考えながら仕事すれば・・てな訳にはいかないか 。
ところで、そんなホームベーキングをされている方々の為に、少し提案したい事があります。
パン屋さんがあまり勉強をしない事や、質問が少ないのは、もちろん忙しいからという理由もあるのですが、それだけではないようなのです。
実は・・ パン屋さんは何と言っても、とにかくたくさんのパンを毎日焼いています。
ですから、理屈ではなく身体ですべてを憶えてしまうのです。
どうしてそうなるのか・・・・を気にしている余裕がないと言った方がいいかもしれませんね。
とにかく次から次へとパンが発酵してきますので、それを如何に渋滞しないようにさばくかが最大の仕事になります。
すべてが無事に終わっても明日の準備があり、それが終わるとヘトヘトで、もうパンの事なんか考えたくもないと思うのが一般的ではないでしょうか?
「いや、それは私だけか・・・」
同じパン作りでも、ホームベーキングでは少なくても一度に3種類以上は作らないでしょう。
しかも、発酵時間には何かほかの事をしている人も多いはずです。
洗濯だったり、DVD鑑賞だったり、お茶してたり・・・・・
しかし、パン屋さんにとっては、朝作業着を着てから帰りに脱ぐまで、全ての仕事がほぼノンストップでやってくるのです。
トイレに行く時間も惜しい・・・・ そんな経験は、ホームベーキングでは味わえませんよね。
まあ別に味わいたくもないでしょうが(--〆)
いったい何が言いたいのかと申しますと・・・・・・
家庭でももっと一度に沢山のパンを焼いた方がいいと提案したいのです。
パンだけで無くてもかまいません。 お菓子でも・・・・
皆様からの質問を見ていると、パン屋さんとは大きな違いを感じるのです。
それは、圧倒的に作る数、つまり経験が少ない事による疑問が多いと言う事なのです。
それはそうですよね。
だって家庭では食パンなら1本、ロールパンなら5~6個でしょうが、パン屋さんなら全ての種類の食パンを合計すれば100本以上、全ての小さいパンを合計すれば、なんと1000個から2000個も焼いているのです。
しかも一日です。
それが毎日です。
うんざりしない方がおかしいかも・・・
どうですか??? そう考えれば、それだけたくさん毎日焼けば、嫌でもコツをつかんでくるのではないかと思えますよね。
そこでですよ(^0_0^) やはり経験に勝るものは無い・・・・と言う事で、どうせパンを作ろうと決めたなら、その日はとことんパン作りデーにしてみると言うのはいかがでしょうか?
と言っても、オーブンが小さいので一度に沢山は無理ですね。
ですから、量ではなく種類を沢山作るのです。
ロールパンを捏ねたら、発酵時間の間に次のぶどうパンを捏ね、ロールパンを焼いている間にパウンドケーキを作って型に流し込んでおき、パウンドケーキを焼いている間にぶどうパンの成形と冷凍してあったクッキー生地を解凍し、ぶどうパンが焼ける前にクッキーを焼いておいて、そのあとに・・・・・・
みたいに連続でパンと菓子を焼きまくるのです。
オーブンだけでは物足りないので、ドーナツも一緒に作ってはどうでしょうか?
しかも、イーストドーナツを捏ねている間に、ベーキングパウダーで作ったケーキドーナツを揚げたりして・・・・・
そのようにして、焼いたり揚げたり捏ねたりと、汗をかきかき一日奮闘していると、恐らく今までにない達成感が襲ってくると思うのです。
理屈を考えたり悩んだりしている暇がない状況の中で見えて来るもの・・・・
部屋も自分も粉まみれ・・・・・
きっとそれは、皆さまのこれからのパン作りに大いに役立つものだと私は思います。
作ったパンはどうするか・・・・ですか???
それを考えながら作るのもまた、ワンランク上の考え方ではありませんか!
つまり、すぐに食べる物と今夜食べる物、お友達に配るものと冷凍する物、翌日食べるものと三日後に食べる物などなど、何をどれくらい作れば上手くさばけるのかを考えておくのです。
これがパン屋さんで言う製造計画なのです。
製造計画はパンの日持ちや発酵の段取りをすべて解っていないと出来ない高度な技術です。
だからこそワンランク上なのですよ。
飽きてしまうと思いますが、例えば食パンなら一本を10回捏ねて焼いてみる。
こんな事をしている主婦やおじちゃんはきっといませんよ。
沢山作るには、いつもより沢山の材料が必要ですよね。
そこでこれまた内緒の提案があるのです。
どの町にも必ずある製パン製菓問屋さん。
そこに直接買いに行くのです。
もちろん断られる会社もあるかもしれません。
しかし、私が取引をしてきた数十社の製パン問屋はすべて小売りもしていましたよ。
製パン問屋さんは、ある程度の製パン知識がないと仕事になりません。
なので、特に営業の人は下手なパン職人よりも製パン知識を持っています。
しかしパン屋さんにそれを自慢できないでいる。
ですから、作ったパンをもって直接行くのです。
そして、どうしてこうなってしまうのでしょう・・・・エヘ !!
と言うと、どれどれとのってきます。
「おじちゃんはエヘ!!は止めてくださいね」
と言うか、乗ってきそうな人を探すのです。
受付の女子は駄目ですよ。
男の人でネクタイをしていれば営業ですから、それを捕まえるのです。
話がはずんだら、「大きな倉庫ですね~ 見てみたいな~」
「見ていきます???? 」
ってな感じで侵入成功すればしめたものです。
後は倉庫番と言う人が必ず一人はおりまして、いわゆる 倉庫の中の材料をすべて把握している金庫番なのですが、 この人と仲良くなっておくと、色々とサンプルなどをいただけますよ~
おちゃらけな話に聞こえるかもしれませんが、問屋さんと言うのは日頃頭ばかり下げている仕事なのです。
そこへ教えてほしそうな素人がきたら、ましてやそれが女性なら、優しくしたくなるものですよ。
この場合、男性はごめんなさい、確率がかなり下がりますのであしからず・・・・
「おじさんの場合は誠実さと謙虚さで対応しましょう」
問屋さんには、溢れんばかりのサンプルがあり、賞味期限が近い材料や、売るに売れない材料が沢山あるのです。
倉庫番と仲良くなれれば、これらをもらい放題ですよ。
あくまでいきなり行く事。
電話は駄目です。
問屋さんは電話とFAXに毎日追われていますので、適当にあしらわれてしまうからです。
パンを持って ←これがポイント!
今回はだいぶふざけた内容だと思われるでしょうが、実は大マジです。
パンの上達も材料の調達も、じつはこれが最良の手段だということを改めてうったえたいと思います。