新玉ねぎを荒々しく使った玉ねぎパンを紹介します。
簡単ですが、生地がややべた付きますので、お使いの粉によっては捏ね方が変わってくると思います。
生地に玉ねぎを練り込みますが、その生地で上記画像のフランスパンタイプ、そしてピザパンタイプ、じゃがいもフランス、そして画像はありませんが食パンを作りました。
いずれもかなり美味しいので、是非お試しくださいませ。
ではまず配合から
ベーカーズパーセントは、%の部分をグラムに変えれば、小麦粉の量が丁度100gになります。
小麦粉の量が100gの時の総合計量が194gになりますので、この何倍作りたいかで小麦粉の量を2倍・3倍と増やしていき、他の材料もそれに合わせて2倍・3倍と増やしていけばよいのです。
わざわざベーカーズパーセントで書いたのは、けして意地悪なのではなく、小麦粉の量を100として他の材料のバランスを見るというベーカーズパーセントの考え方を知ってほしいからなのです。
中力粉は何でも構いませんが、フランスパン専用粉を使った方が美味しくなるとは思います。
もちろんすべてを強力粉にしても良いですし、すべてをフランスパン専用粉にしても構いません。
ただし、水の量や捏ね加減は何度かやってみてつかんでほしいと思います。
比較的力の弱い小麦粉を使うと、玉ねぎの水分にやられてしまい、膨らみの弱いパンになる可能性がありますので、これだけの生玉ねぎを使うには、グルテンの強い小麦粉を選んでほしいと思います。また、玉ねぎは大きめにカットするのがコツになります。みじん切りはNGですよ。
生地作り
玉ねぎは今回は新玉ねぎをたくさんいただいたので、それを使いました。
玉ねぎの種類によっては水分が違うと思われますが、捏ねの最中は硬めにするよう水を調節してください。
玉ねぎは親指の爪ほどの大きさに切り、そのまま最初から投入します。
ショートニング以外の材料で生地を捏ねていきますが、初めのうちは玉ねぎがゴツゴツしていて、さらに水っぽい為に、捏ねにくいかとは思いますが、ここではかなり硬めの生地にしておいてください。
徐々に玉ねぎの水分が出てきて生地が柔らかくなっていきます。
ある程度捏ねた段階で、ショートニングを混ぜていきます。
この時点ではまだ硬い生地ですので、揉み込むように混ぜていきましょう。
あまり捏ね方にこだわらなくて結構です。
私の場合はいつもそうですが、ある程度生地がまとまってきたら捏ねるのをやめてしまいます。
え~こんなんでやめて大丈夫なの・・・くらいで大丈夫です(笑)
そうは言っても、玉ねぎが邪魔してなかなか普段の生地のようにはいかないとは思いますが、気にせずある程度のベタベタ感があってもやめてしまいましょう。
生地の温度は25℃位を目指してください。
発酵工程
捏ね上がった生地はそのまま捏ねていたボールなどに入れたまま、約20分ほど室温で発酵させます。
パンチ① 20分後にボールから取り出し、ややきつめに何度か丸め直します。
この時点からボールに残った生地はきれいに取り除いておいて、そこへ丸めた生地を入れて再び20分発酵させます。
これで40分の発酵となります。
パンチ② 20分後にボールから取り出した生地をきつめに丸め直し、またボールへ戻します。
これでパンチが2回、行われたことになります。
当然お分かりのこととは思いますが、生地の表面はなるべくきれいになるようにして入れて下さいね。
そして最後の20分発酵をとり、合計60分の発酵となります。
もし捏ね上げ温度が低くなったり、うっかり水を入れすぎて柔らかすぎる生地になってしまったら、膨らみが弱いかもしれません。
そんな時には発酵時間を追加して、膨らみをしっかりと確認してから冷蔵庫へ入れましょう。
冷蔵発酵
しっかりと膨らんでいることを確認したら、一度ある程度ガスを抜いてから冷蔵します。
何が何でも冷蔵庫へ保存しなければならない訳ではありませんが、この方が美味しくなりますし、二日から三日にかけて使用することが出来ますので、一度にある程度多めに捏ねておいて、今日はフランスパンタイプ、明日は食パン、次の日はピザ生地として使うなど、工夫してほしいと思います。
生地は冷蔵庫でも約3倍に膨らみます。
ですから、蓋から溢れないような入れ物を選んでくださいね。
ただし、ある程度ぎゅうぎゅうに入っていた方が生地には良いので、生地の量に対してあまり大きな入れ物を用意して、中がスカスカにならないようにちゅういしてくださいね。
発酵が終了した生地を出来ればステンレスか、あるいはアルミなどで出来たタッパーに入れて冷蔵庫で保存します。
もしプラスチックのタッパーでしたら、かなり膨らんできてしまいますので、冷蔵してから2時間くらい経過したら、一度しっかりとガスを抜いてあげてください。
冷蔵した生地は3日くらいで使い切るようにしてください。
成形と焼成
生地は冷蔵庫から取り出したらすぐに好みの重さに分割して丸めます。
温かい場所でベンチタイムをとり、生地の温度が20℃位になったら成形を行ってください。
ベタベタと手にくっつくかもしれませんが、手粉を上手に使いながら成形してください。
蓋つきの食パンを作るのでなければ、スチームはかならず使用してください。
どちらかと言えばソフトフランスのような配合なので、焼成温度は高めにしてください。
天板いっぱいに生地を敷き詰めて、玉ねぎ、ベーコン、チーズをのせてピザパンとして作りました。
玉ねぎには塩とコショウを多めにふって乗せた方がよいでしょう。
具材は好みでかまいませんが、生地の玉ねぎがあるおかげで、いつまでもしっとりとしたピザパンになりますよ。
パン屋さんのように好きな大きさにカットしてお召し上がりください。
また、よくあるじゃがいもなどを包んだタイプのパンにも向いています。
スチーム焼成することで、このようにフランスパンのようなデザインになります。
見てわかるように、玉ねぎがしっかりと残っていて、とても香ばしいフランスパンになります。
また、この生地で作った山形食パンは絶品でした。
とにかく生地が美味しくなりますので、色々とアレンジしてみてほしいと思います。
マヨネーズとの相性が特に良いと感じました。
これだけ多くの玉ねぎを入れるとなると、玉ねぎ自体の甘味が美味しさを分けると思われます。
美味しくない玉ねぎというのはあまり聞いたことはありませんが、新玉ねぎの方が作りやすいこと、そして甘いことは確かでしょう。
どうぞお試しくださいませ。
<追記>
この記事を書いた数か月後には新玉ねぎがなくなり、通常の玉ねぎで作ったところ、生地がなかなか発酵してきませんでした。なぜ発酵が進まないのかはっきりしたことは解りませんが、新玉ねぎにはない酵素が発酵を阻害していると考えられます。そもそも玉ねぎをここまで多く配合したことが今までになく、逆に発酵が良く進むのでびっくりしていたのですが、それはどうやら新玉ねぎに限ってのことのようです。ですので新玉ねぎではない玉ねぎを使用する際には、発酵時間は2倍以上かかるものとお考えいただき、十分膨らみを確認してから冷蔵するようお願いいたします。なお、イーストの量を増やしても発酵は進みませんでした。十分に膨らみが確認できるまでには2時間以上はかかると思われますのでご注意ください。また、一度きちんと膨らんでしまえば、その後はしっかりと発酵してきますが、新玉ねぎの時のようにはいかないようです。
このパンとは違う味わいのパンにはなりますが、同じ玉ねぎを使った配合を紹介しておりますので、こちらの記事も参考にしてみて下さい。
<さらに追記>
またまた玉ねぎをたくさんいただいたので作ってみたところ、今度は非常によく膨らみました。何故なのかは全く分かりませんが、新玉ねぎの時と変わらずに元気に膨らんできました。ただし、水分が少ないのか生地が硬めだったので10%ほど水をプラスしました。やはり自然のものを混ぜ込むというのは、毎回同じと言う訳にはいかないようですね。恐らく味わいも産地や製法によって違うのでしょうね。ということで二転三転しましたが、お使いになる玉ねぎによって水分や発酵時間に違いが出るということだけはご理解いただきたいと思います。