どなたの家庭にもある風景ではありませんか・・・
ぎゅうぎゅうになった冷凍庫ですが、これってもっと整理して、そしてもっと減らして冷凍しないといけないでしょ・・・だらしがないな~
そう思われる人もきっといらっしゃるとは思うのですが、いやいや以外にもこれで良いのです。
冷凍庫は基本的にはパンパンの方が品質が長持ちしますし、見ての通り氷が付きません。
なまじ隙間が空いていたりすると、すぐにそこは氷の世界になってしまい、食品の表面にも氷が付きやすくなります。
また、上記画像のようにジップロックなどの厚めの袋に入れておくことはとても重要なことですよね。
さて、いったいいつまで続くんだろう・・・そう言いたくなるほど長きにわたって私達を苦しめてくれる新型コロナ・・・
しかしお陰様と申しましょうか、飲食店の方々には誠に申し訳ない思いすらするところではございますが、ほぼ全国のパン屋さんは軒並み売り上げを伸ばしているのです。
空前の焼き立てパンブーム、食パンブームにもあやかってか、パン屋さんの狭い店内はほぼほぼ密になっているのですが、そこはあまり報道もされませんしお客様も気にされている様子は感じ取れません。
ただし、焼き立てパンは裸で陳列・・・ということだけはさすがに出来ず、皆さん袋に入れて販売されている訳ですが、それでは焼き立てパン屋さんらしさが失われて、売上が大手に奪われてしまうのではないかと気にしていたのですがなんのその、私の知りうる限りのお店は皆売り上げを伸ばしているのでした。
そんな中でも特に特に、中高年以上の女性客がとにかく増えてきている気がしていますが、皆様はいかがお感じでしょうか?
コロナ過だからこそのやけ買い??
それとも常備保存食としての大量お買い上げ??
そう言いたくなるような大量買いが目立ちます。
そして相も変わらずとでも言いましょうか、今更ですかとでも言いましょうか、お客様からの質問や問い合わせで多いのが
「このパンって冷凍できますか??」
とか
「どうやって冷凍したらいいの??」
とか
「どうやって食べたらいいの??」
というご質問なのです。
今どきのググればなんでも調べられる時代、あるいはSNSであらゆる情報を共有されている時代に、
今でもパンの保存方法を聞く人がいるなんて??
と思うのですが、いらっしゃるのです。
しかも一日に何人ものお客様から聞かれます。
ということは、一部の保存にこだわる方達以外の一般的なユーザーの方々には、いまだにパンの保存には何が最適なのかが理解されていないということなんだなと改めて認識した次第です。
ということで、今回はパンの保存方法について徹底解剖してまいりたいと思います。
とは言えですよ、パンの保存はズバリ冷凍じゃないですか。
いや、ズバリどころか冷凍以外にないじゃないですか。
ということで、どう冷凍してどう食べればよいのかを説明していくことにしましょう。
ではまずこのパンを冷凍しない人はいないでしょうが
お馴染みの食パンですね。
一番多いのはスライスした食パンを一斤単位で購入する人だと思いますが、もしも一人住まいで、しかも少食ならば、例え一斤であっても冷凍保存された方が美味しく食べられますし、日々硬くなっていくことを心配しながら食べる必要はなくなりますよね。
トースト用にと4枚切りを買ったとしても、少食なら一日に一枚でしょうから消費には4日かかりますね。
パンは冷凍庫に空がありさえすれば、二日以上後に食べるなら冷凍しておく方がオススメです。
4日程度なら買ってきた袋のまま、ただそのまま冷凍庫に入れておいても室温放置よりは美味しく食べられますし、スライスしてある食パンと言うのは意外ととなりどうしがピッタリとはくっつかずに、はがれやすい状態で冷えてくれますので、何も考えずにそのまま突っ込んでおけば良いのです。
例えば安かったからと言って2斤とか3斤とか買ってきた場合も、なんなら袋を二重にして入れて置けば長持ちします。
この際の 長持ちします という意味は、パンの表面に氷が付くようなことはないという意味であって、長く冷凍しておいてもさほど品質に影響はないという意味になります。ですので、袋を二重にしなかったからと言ってすぐに美味しくなくなってしまうというようなものではなく、もし長く冷凍する可能性があるようなら念のために袋を二重にしておいた方が氷が付きにくく、品質が長持ちしますという意味なのです。さらに品質保持を徹底したければ、面倒ですが一枚一枚を袋に入れて、それを数枚ごとに別の袋で包んでおけば尚更品質が長持ちします。
まあすでにやってるよと言う人の方が多い気がしますけど・・・
では肝心の食べ方はというと、これは意外と知らない人の方が多い気がしますが、
凍ったままのパンをカチカチのままオーブントースターへ
これが基本となります。
この場合の基本と言うのは、それが一番品質を損なわない食べ方であるという意味であって、何が何でもそうしなければいけないというようなものではございません。
例えば肉や魚を冷凍庫から出して冷蔵あるいは常温で解凍すると、水が出るときがありますよね。食品中に含まれる水の中には自由水とか遊離水と言って、食品を腐らせたり美味しくなくさせる役割をもった水分があり、その水分が活発に働く温度帯が冷蔵温度帯、つまり5℃前後なのです。ですのでパンを解凍すると、この自由水が味を悪くさせる可能性があるので、出来れば凍ったまま焼く方が美味しく食べられるということなのです。ちなみに解凍してサンドイッチにするというような場合はこの限りではありません。
では、食パン以外のパンの場合はどうしたら良いのでしょうか。
パリパリが病みつきになるクロワッサン・・・
もちろん冷凍できます。
クロワッサンだけに限ったことではありませんが、これらのパリパリが売りのパンの場合(バゲットとかその他のハード系小物パンなど)袋に入れて販売されていたら、残念ながらパリパリ感はなくなっていますよね。
ですから、買って帰って冷凍しても、自然解凍したらやはりパリパリではなくなっています。
ですので、これもやはり食パンのトースト同様に凍ったままをトースターに入れることでパリパリ感が復活するわけです。
中にはあえて電子レンジでフワフワにしたいという方もいらっしゃるかもしれませんが、電子レンジだとすべてのパンが考えられないほどフワフワになってしまいますから注意が必要ですね。
もしも裸で販売しているクロワッサンがあったとしたら、買って帰って冷凍しても自然解凍でパリパリ感を保っているはずですから、やや冷たいままをパクリということもできますね。
どう食べるかを考えてから冷凍するということが、一番理にかなった冷凍方だと思います。
このような総菜パンはどうでしょうか・・・
ハイもちろん冷凍できますよ(笑)
ただ、現実にはあまり冷凍するという人はいないでしょうが(笑)
これもやはり大量に買ってしまった、あるいはたくさんもらってしまったなんて場合は迷わず冷凍してください。
迷うのは食べ方なのですが、左側のように中に総菜が包んであるようなパンは、いきなりトースターだとパンは焦げて中身の具は冷たいなんてことになりかねませんよね。
ですから、一度自然解凍してからオーブントースターに入れるか、凍ったままを電子レンジで温めるかになります。
もちろん自然解凍しただけでそのまま食べていただいて何の問題もありません。
ソーセージの方はやはり一度焼きたくなりますよね。
しかし焼いてしまうとパンがカサカサになってガッカリなんてことにもなるでしょうから、やはり総菜パン系は自然解凍か電子レンジになることでしょう。
この形のブリオッシュを売っているお店も少ないとは思いますが、もちろん冷凍できます。
この手のバターの配合が多いパンと言うのは、自然解凍してやや冷たいうちに食べるのが最も美味しいと思います。
が、やはりトーストしてと言う方は、半分に切ってトーストすると良いでしょう。
蒸しパンですね、もちろん冷凍できます。
この手のパンも自然解凍してやや冷たいくらいで食べるのが一番おいしいと思いますが、温める場合は電子レンジでOKでしょう。
蒸しパンはイメージが中華まんと同じだと思いますから、トースターは不向きでしょうね。
中華まんは冷凍でも売られていますし、そもそもコンビニなどにある中華まんも保存は冷凍ですから冷凍が得意な食品であるとも言えます。
もし表面がやや乾燥しているようでしたら、少し水を吹きかけてラップをしてレンジにかけると柔らかさがよみがえります。
この少し水を吹きかけてというのは、フランスパンや食パンなどでも断面が乾燥してしまったらこうすると良いでしょう。
さあでは、これらの菓子パン、そして焼きそばパンはどうでしょう(笑)
はい、もちろん冷凍できます。
と言うことでもうお分かりでしょうが、基本的に冷凍できないパンというのはないのですね。
ただ、どう食べるかを考えてから冷凍しましょうということなのですね。
例えばチョココロネは自然解凍してチョコが冷たいくらいで食べるのが一番おいしいと思いますが、焼きそばパンならどうしたって焼きそばは温めたいですよね。
ということは電子レンジでということになるわけですが、解凍しないでカチカチのまま電子レンジに入れると、パンだけがフニャフニャになり過ぎてしまいます。
ですから、一度自然解凍して焼きそばが解凍してから、電子レンジに入れた方がパンがしっかりと食べられますよね。
もちろんフニャフニャのパンがいいというのであれば凍ったまま電子レンジで構いませんよ。
メロンパンも自然解凍が基本だとは思いますが、カリカリのメロンが良いという方は少しオーブントースターに入れればカリカリになりますし、フカフカのメロンが良いというのであれば電子レンジで構いません。
あんぱんも自然解凍で餡が冷たいくらいで食べるのがオススメではありますが、温かい餡が食べたければレンジでOKでしょう。
そんなわけで、食べ方と言うのはある意味自由ですから、どのような状態にして食べたいのかを考えて冷凍すれば、ほぼすべてのパンは冷凍さえしておけばパサパサになることを心配する必要がなくなる訳ですね。
これらのハード系パンもすべて冷凍できるわけですが、薄いパン、小さなパンはそのままで、大きなパンや厚さのあるパンはスライスして、どう食べるかを意識してからスライスの厚さなどを決めることが大切です。
とても重要なのはここ
パンは焼成されてから時間の経過と共に刻一刻と劣化していきます。
ですから、出来るだけ早い段階で冷凍することがとても重要になってきます。
お店で陳列されていた時間が長く、しかも家に帰ってからなかなか冷凍せずに次の日になってしまい、あわてて冷凍庫へ・・・みたいなパンは、どうしたって美味しいわけがありません。
パンも鮮度が命ですから、なるべく早くを意識して冷凍してください。
また、スーパーで安くなっている食パンを冷凍した場合と、消費期限がたくさん残っている新しい食パンを冷凍した場合とでは、当然ながら美味しさは全く違ってきます。
残ってしまったから、すぐには食べなさそうだからといったような処理としての冷凍と、鮮度維持のための冷凍とはそもそも考え方も品質も全く違うということに注意して、どうせ冷凍するなら鮮度維持のための冷凍を行っていただきたいと思います。
更にこちらに注意
冷凍庫でカチカチになっているパンを見て、鮮度を見極めることは不可能です。
ということは、新しいものも古いものもごちゃごちゃに入れていたら、どれが新しいやらどれが古いのやらさっぱりわからなくなってしまいます。
ですから、必ず日付を入れる習慣をつけておきましょう。
入れる位置を決めておくというのも良いでしょう。
パンの保存についてはこちらの記事も参考にしてみて下さい。
冷凍に向いているパンとは・・・ - ベーカリーアドバイザーの部屋