このカテゴリでは、2011年にベーカリーアドバイザーの部屋にて紹介した記事に追記を加えて、改めてご紹介しております。
食品添加物というと毒々しいタイトルというイメージになろうかとは思いますが、実は私たちの毎日の食卓にはすでに欠かせないものになっているのが食品添加物だとも言えるのです。
食品添加物を悪と考える人はいったいどれくらいいるでしょうか。
食品添加物には発がん性をはじめとして、様々な身体によくない物質が含まれているので食べてはいけない・・・という、書籍をはじめとして様々な報道が世間を騒がせて、様々な専門家や評論家を名乗る人達によってすっかり悪の代名詞になってしまいました。
「無添加のものは高額なので、できるだけ手は出したくないものの、そうは言っても保存料無添加とか無着色などと書かれているものがあればそちらを買うようにはしている」と言う方は多いのではないでしょうか。
ならば化学の進歩に伴い、いよいよ食品添加物の毒性が立証されてきて、無添加論者達の勝利の日が訪れようとしているのでしょうか???
ここ数十年のうちに、確かに食品のパッケージの中にこのような表記が多くなってきました。
無漂白 保存料無添加 無着色 無農薬・減農薬 国内産○○使用 化学調味料無添加・・・etc
ずいぶんと、添加物を使わない傾向になってきているようにも感じますね!
と言う事は、ここ数年でずいぶんと健康な人が増えていて、逆に病気の人が減ってきている・・・ということになりますよね!!
だとすると、毎月法外に取られている健康保険税は毎年少しずつでも減っていくのですよね!
信じていいんですね???
企業も食品添加物を悪と認めているからこそ、このように無添加だー着色はしていませんよーと表記しているのでしょうか?
添加物の中には、よく合成と言う言葉と天然という言葉が使われます。
これも、いかにも合成は化学的作りもので、天然は安全・・・という先入観を皆様はお持ちのはずです。
さて、本日の本題の極論から述べさせていただきます。
食品添加物は本当に身体に悪いのか
食品添加物の使用は当然正義です。
でなければ、私の知る限りの現在60から90歳位の知り合いは、全員病気でなければなりません。
だって、ほとんどの知り合いが食品添加物を気にしていないとは言いませんが(マスコミの影響で、なんか身体に悪いんだってさ・・・程度の認識)なんでも平気で食べています。
もちろん、無添加論者の方々が口々に最悪とうたうソーセージや山崎パンもだーい好きですし・・・
統計学的に考えてみましょう。
もし、食品添加物が健康を害するものならば、私の友人知人の中にも、明らかに数十人、数百人も病気の人がいるはずです。
しかし、そんなにはいません。
交通事故で亡くなった方、長い糖尿病の末に亡くなった方、手術の合併症で亡くなった方、腰痛で歩けない方、痴呆症の方などはもちろんいますが、それを食品添加物の摂取が原因とするにはあまりにも無理があります。
それほどの重病ではなくても、例えば胸やけがひどいとか、便秘ぎみだとか、慢性胃炎だとか、下痢症だとか、あげればきりがないような日常の症状は、誰にでもあると思います。
しかし、それで死ぬようなことはありませんし、それらの症状を食品添加物だけのせいにするには、これまた無理があります。
世の中に起きている事は、すべて現実です。
ナイフで身体を刺せば、明らかに血が出て、その程度によっては致命傷にもなりますよね。
しかし、少し刺した程度ではカットバンを張れば数日で治ります。
この場合、ナイフは正義ですか悪ですか・・・・と同じです。
何事も、度が過ぎれば悪になるのです。
私は酒飲みなのですが、アルコールの致死量と言うのがあって、一度にどれだけ摂取すると死に至るという実験結果があります。
実験には人間が使えませんから、マウスで行う訳ですが、例えばアルコールの致死量を調べるには、マウスにアルコールを注射して、どの時点で死ぬかを実験します。
何度か行って、死んだ時の量の平均を割り出し、それが致死量となるのです。
一度に酒をこれだけ飲めば死にますよ・・・と言う致死量ですが、これまた人間のアルコール分解能力は、個人によりバラバラで、ビール一杯で急性アルコール中毒になる人もいれば、何杯一気飲みをしてもケロリとしている人もいます。
ちなみに、塩をむんずとつかんで、一気に口に入れれば、どなたでも安らかに・・・いやいや、苦しみながらお亡くなりになる事ができますし・・・
どうですか?
要するに、どんなに健康に良いとされているものでも、限度を超えて一度に口にすれば、なんらかの異常が表れる。
食品添加物も、誰も直接食べる人なんていませんし、食品に含まれている量程度では、人体に害を与えるような力はありません。
これは、いわゆる科学者なら皆さん知っている事です。
私達は、完全にマスコミと無添加論者に踊らされているのです。
厚生労働省といえば、悪の温床のようなイメージですが、すべてがそうな訳ではありませんよ、当然。
企業も、ありとあらゆる実験を行った上で商品化し、さらにそれを抜き打ち検査されても大丈夫だからこそ、大々的に販売しているのであり、もしも本当にソーセージや山崎パンが毒入りの食品なら、日本の人口はもっと減っています。
それどころか、食品添加物が入っているおかげで品質が長持ちし、多くの貧しい国々に支援物資として送られ、今日明日にでも死ななければならないはずの命が助かっているという現実を知るべきです。
どんなに自分の身体を守っても、排気ガスや二酸化炭素、酸性雨、黄砂、花粉、事故、病気などからは完全に逃げ切る事は出来ません。
ここまで書いても、恐らく食品添加物が悪ではないと言う事にはならないでしょう。
そうです、この問題は実に根が深いのです。
そもそもなぜ食品添加物が必要なのか
食品添加物は必要か? このように書くと、必要だから使われているという事実と、使わなくても済むのに、企業が収益を上げる為に無理やり使用しているのではないか?という相反する意見が出てくるでしょう。
食品添加物の多くは、それを使う事によって、すぐに腐ってしまうような物を保存がきくようにできたり、本来はどす黒い肉を美味しそうなピンク色にする事が出来たりします。
食品は、腐ったり酸化したりしたものを口にすると、明らかに人体に悪影響を及ぼしますね。
例えばお腹が痛くなる・下痢になる・嘔吐してしまう・・・などなど 、昨日買ったばかりのもやしを、たった一日食べずにいたら、酸っぱい香りがして色も黒くなってしまった・・・ そんな経験は皆さんお持ちですよね。
スーパーで売られているもやしやカット野菜、お弁当やサンドイッチの野菜もすべて漂白剤に漬けられています。
漂白剤と言っても、まな板を漂白する物とは違って、食品用の漂白剤ですよ!
それでも、もやしは三日と持ちませんし、サンドイッチも弁当も三日と持ちません。
これらの野菜に、もしも漂白剤を使わなかったらどうなると思いますか?
日本中が下痢だらけで、内科医は大儲け、下痢止めが品切れになるでしょう。
それどころか、夏にはウイルスが大量発生し、スーパーでもコンビニでも、食品の販売は中止されるでしょう。
つまり、昔に帰るということです。
食品添加物が使われていく背景には、時代というものが大きく関わっています。
消費者が便利な物を求める⇒企業が開発する⇒更に便利な物を求める・・・
地デジやスマートフォンなどもそうですが、発展するということは、そういう事なのです。
行き過ぎな物もたくさんありますよね。
添加物だって、使わなくても済む物にも使う事によって安く作る事が出来る。
安ければ消費者が喜ぶ・・・と言うような構図も確かにあります。
今現在、私達国民の多くが、もし無添加を望んだら、今度は無添加食材が品切れになり、無農薬野菜は超高騰となるでしょう。
そうなれば、なんちゃって減農薬やら、天然の添加物ですよー・・・な~んて輩がはびこってくるはめになるのです。
ですから、世の中のバランスから考えても、食品添加物を憎む人と容認する人がいて、丁度良いのです。
また、食品添加物の毒性がよく騒がれますが、皆さんはどうお考えですか?
その中でもとりわけ多いのが、発がん性というやつです。
食品添加物は、体内に蓄積されて、やがてがん細胞になる・・・というものですが、本当だと思いますか?
少量ならと安心していると、少しずつ体内に蓄えられていき、やがては重篤な病気へと発展してしまうのです・・・などと、無添加論者の本には必ず書かれています。
ならば、現代医学の衆知を結集して体内を調べれば、 着色料を体内で発見・・・ となるでしょう。
ましてや色まで付いているのですから・・・
しかし、そんな話は聞いた事がありません。
数年前の事例ですが、マーガリンなどの製造段階で生成されるトランス脂肪酸という物質が、発がん性ありとしてアメリカの一部の州で規制がかかり、製造出来なくなりました。
これは、皆様おなじみのラーマやマクドナルドなどのフライ用油もそうで、その他のありとあらゆる油にトランス脂肪酸が含まれていて、これを食べるのは体内にプラスチックを入れているようなもので、猛毒である・・・という事でした。
日本よりも多く油を消費しているアメリカでは、国をあげての大騒ぎに一時なりましたが、その後に油の製造法を変えることによって、トランス脂肪酸の生成量が減り、現在は低トランス脂肪酸油として認可を受け、全国の油脂メーカーの多くが現在この低トランス脂肪酸の油を製造販売しているのです。
ちなみに私の記憶では、たしか幼稚園の頃からトーストにマーガリンを塗ってたべていました。
そして四十数年の間、それを食べ続けています・・・・ ・・・・・がなにか?
母に至ってはさらにプラス24年、現在もトーストにマーガリン・・・・つけてますね~
でも元気そのものですがね~
では、いったいこの猛毒プラスチックというやつは、何十年たったら人体に影響を及ぼすのでしょうね。
ここまで書いてきた事でもお解りのように、あくまで現実が全てですね!
食品添加物でお腹が痛くなったのか、はたまた単に食べ過ぎなのか、それとも食べ合わせが悪かったのか・・・それは、正確にはお医者様でもわからないのです。
それが人間であり、人体の不思議なのです。
人体と言うのは、栄養になるものはエネルギーとして蓄え、不要なものは排泄するようにできています。
ですから、サプリメントをいたずらに多く飲んだとしても、必要量以外は皆おしっこになってしまいますので、ラムネでもなめていた方が良いわけです。
パン屋である私は、油断するとすぐに鼻毛が伸びてしまいます。
これは、粉を吸いこまないようにと私の鼻が守ってくれている証拠ですし、そのように人体は、環境に合わせて自らを守る力を秘めているのです。
でなければ、排気ガスだらけの都市部では、鼻と肺の病気で無くなる方が爆発的に多いはずでしょ。
でもそんな事は無い・・・
これが現実であり真実であり事実なのです。
値段の安い物には食品添加物がたくさん、高い物は無添加無農薬のものが多いというのは事実です。
しかし、産直所で売られている ”無農薬野菜” あれは正確には一部無農薬や減農薬がほとんどです。
なぜなら、日本では本当に無農薬で栽培しているかどうかを調べないで販売して良いからです。
つまり、農家の自己申告に任せているのが現状なのです。
食品添加物の表示も、現実には表示さえしてあれば、とりあえず販売できます。
表示内容をすべてチェックしてから販売する訳ではありませんので、この点は大手の方が信用出来ると言ってよいでしょう。
添加物も農薬も、専門知識の全く無い人が製造販売しているケースがたくさんあります。
しょせんこの程度なのです。
だって、基本的には農薬も食品添加物も国が安全と決めた物をつかっているのですから。
もっと言うなら、保健所などでは添加物を使わない食品ほど販売を認めてもらえません。
なぜなら、菌の繁殖を一番に恐れるからです。
菌の繁殖はあなどれませんよ~
ペルーと言う国では、水道水の塩素に毒性があるとして塩素を廃止したところ、消毒をやめて1ヶ月でコレラが大発生し、感染者250万人、死者1万人以上を出すという事態になりました。
水道水をそのまま飲んでいると言う方も当然ながら多いと思いますが、もちろん何の問題もありません。
なぜなら塩素で殺菌されて菌が繁殖できないでいるからです。
塩素とか漂白剤と聞くともちろん直接食べるものではありませんので、それが口に入るのが気持ちのいいものかと言えば、そうではないことは確かでしょう。
しかし、ちょっと考えてみればわかると思いますが、地下にある水道管の中に水が通っていて、そこでもしウイルスなどが繁殖したとしたら、その地域の人達は皆病院通いになり、死人も多く出ることでしょう。
水道の蛇口も毎時間流している訳ではありませんので、水道管の中に長い時間待機している水もある訳ですが、それがもし腐ってしまったりしたら、たちまち食中毒を引き起こすことでしょう。
日本中のいたるところで、水道の水を直接飲めるのは、まさに塩素のおかげであり、だからこそ水道水を飲んで病気になる人や、食中毒で死ぬようなことは起こらないで済んでいるのです。
ここ数十年の間に、間違いなく寿命が延びたことは誰でもが知るところだと思いますが、それは水がきれいであり、食べ物が腐らなくなり、雑菌が繁殖しにくい食品環境があるからこそなのであり、そんな悪い菌の繁殖を防いでくれているのが食品添加物なのです。
人々の生活にスマホやインターネットがどれだけ貢献しているかは誰でもが知るところですが、食の安全というものを考えるときに、いたずらに薬物だけを害のように取り上げるのは確実に間違った思想だと言えます。
それでも自分は少しでも害があるものは身体に入れたくない・・・と言う人だけがそうすればよいのであって、それは個人の自由です。
しっかり調べもしないで、にわか仕込みの情報ですぐに騙されてしまうようなことだけは無いようにしたいものですよね。