見事に空洞が出来てしまったカレーパンですが、カレーパンってズバリ2種類存在しますよね。
油で揚げるドーナツタイプと、焼くタイプのことですね。
上記の画像は焼いたカレーパンですが、通常ここまでは空洞にはならないと思います。
この画像のカレーパンは、生地がとても強い(良く膨らむ)生地であるのと同時に、カレーそのものがゆるい(水分が多い)、そして具の水分量が多いと考えられます。
だから何?・・・で構わないとは思うのですが、とかく日本人はこの辺りにうるさいですね。
損した気分になるのでしょうねきっと(笑)
ではどうしてここまで派手に穴が開いてしまうのか、そして開かないようにすることが出来るのかどうかについて考えてみたいと思います。
焼いたカレーパンの方が空洞ができやすいってホント???
焼きカレーパンとは、つまりは成形までは普通のカレーパンと同じでも、油で揚げないでオーブンで焼くタイプのカレーパンの事ですね!
ヘルシーで・・・とか言って売っていたりします。
この焼きカレーパンですが、残念ながら 空洞ができるのが基本とお考えください。
一口食べて中を見ると、底の方にカレーがへばり付いていたりして、まるで騙されたような気持ちになったりしますよね(笑)
では、どうして空洞ができるのでしょうか・・・?
まずは、オーブンの中でパンがどのように焼けていくかを想像してみてください。
オーブンに入れました・・・
生地の表面が少しずつ乾燥していきます・・・
同時に、イーストの活動が活発になり、生地全体が膨らんでいきます。
この時は、まだ空洞は出来ていません。
カレーもまだ冷たいままでしょう。
更に時間が経過すると、イーストの活動はピークを迎え、最大限に膨らもうとします。
その頃、カレーにもようやく熱が伝わってきます。
イーストの活動はそろそろ限界に達し、膨らむのがストップしていきます。
そうなると、生地の表面に徐々に焼き色が着いていきます。
膨らんでいるうちは、色が着いている暇がないのですね!
色が着きそうになると膨らみ、また色が着きそうになると膨らんでしまう。
常に生地は膨らみ続けていますので、動いているうちは焼き色は着かないのです。
そんな頃、カレーも沸騰してグツグツ煮えてきます。
グツグツと煮えたカレーの湯気が、パン生地の内部にへばり付いていきます。
そうすると、パン生地内部はアルファー化してしまい、つまりのり状につるつるになってしまうのです。
そうですね・・・まるで茹で上がったうどんの表面のように!
通常の、例えばあんパンなどの場合は、生地は内側にも膨らんでいきます。
しかし、カレーの場合はすぐに沸騰してしまい、その湯気で生地内部がのり状に固まってしまうので、内側には膨らむ事が出来ないのです。
当のカレーはと言うと、すっかり水分を放出してしまい、疲れ果ててベターっと底にへばり付いた状態になってしまいます。
そんな訳で、カレーとパン生地は離れ離れとなり、くっつく事が出来ないのです。
勿論カレーが柔らかければ柔らかいほどそうなります。
さらに、玉ねぎやじゃがいもなどの水分を多く含む野菜が入っていれば尚更でしょう。
仮に、小麦粉をつなぎとして加え、カレーを硬くしても、水分量にはそう影響しませんし、 むしろ味が悪くなるでしょう。
また、空洞が出来るのはカレーだけではありませんよ!
同じような水分を含む惣菜なら全てそうなります。
例えばグラタンやシチューやミートソースのような物全てです。
具を包む場合、またそれが天板で焼く物である場合、どうしても具を選ぶ以外に方法はありません。
では、生地に工夫を加える方法は無いのでしょうか???
いいえ、全く無い訳ではありません。
この場合のパン生地は、どこに注意が必要かと申しますと ずばり 油脂量と小麦粉の力 です。
油脂量が多いと、パン生地はオーブンの中で良く膨らみます。
この膨らみ方は、油脂の多さに比例していて、多ければそれだけオーブンの中で大きくなります。
油脂が多い生地は、生地同士がツルツルと滑っている状態なので、例え高温のオーブンの中であろうとも、どんどん膨らんでいくのです。
ところが、油脂が少ない生地の場合は生地同士が滑らないので、すぐに動きが止まってしまい、あまり大きくはなれません。
また、パンが膨らむ為には数多くの風船が必要ですね。
イーストが発生させた炭酸ガスでこの風船が膨らんでいくことで、パン生地は大きくなっていく訳ですから、風船の数が多い小麦粉、つまり最強力粉や上質の強力粉を使用した場合には、油脂の力を借りてさらに大きくなろうとします。
大きくなろうとする力・・・これを制御するしか方法はありません。
しかし、そんなことばかり考えていたらパン作りは楽しくなくなってしまいますので、空洞なんて気にしないというのが一番なのかもしれませんよ。
では揚げたカレードーナツだと空洞はできないのか??
いいえ、残念ながら揚げたカレーパンでも空洞はできます。
が、焼いたものよりはましだとは言えますね。
揚げてすぐのカレーパン達は、どこか凛としてますよね。
しかしこれが時間の経過とともに、結構しわしわになって表面の艶もなくなってきます。
コロッケなどの場合は同じ揚げ物であってもそんなにしわしわにはなりませんが、カレーパンの場合は中身のカレーの水分が生地に移行してしまうため、どうしてもしわしわになってしまいます。
その分柔らかくなるという考え方もありますけどね(笑)
ではこの揚げ立ての場合にはまだ空洞がなくて、だんだん空いてくるのでしょうか?
いいえ、それが全く逆なのです。
見た目は凛としてますが、この時点がMAX穴あき状態であり、生地がしわしわになって柔らかくなってくると、全体的に潰れてきて目立たなくなっているだけなのです。
つまり、揚げようと焼こうと、結局はカレーを包んだ時点で穴あきは避けられないということなのです。
もう少しこの穴あきのプロセスについて詳しく説明していきましょう。
焼きと揚げではどちらが空洞が少ないか?
まずは焼いたカレーパンの場合ですが、この場合パン生地の底の部分というのは天板の上に直でおかれています。
アルミケースを使ったり、他の型や枠などを使ったとしても、結局は生地の底というのはその入れものに接着いているわけです。
ということは、オーブンの中で生地が膨らんでいけるのは上と横だけであって、下には膨らむことは出来ない訳です。
ですので、接着している底の分まで上と横に自由に膨らみ続け、かつカレーから出る湯気がさらに内側からあおりますから、さらにどんどん膨らみ、最後はカレーが水分を放出してぐたーっと底にへばりつき、より空洞が目立つと言うことになる訳です。
次に揚げた方のカレーパンですが、油で両面を揚げるために、何かに接着している部分がありません。
焼いたカレーパンは踏ん張りがきいたので、さらに上に横に伸びることが出来たのですが、揚げの方は油の中で泳いでいるだけですから、踏ん張りがきかない為に焼いたものほどは膨らめません。
しかも四方に満遍なく膨らみますから、その分膨らむ力は弱くなり、結果そこまで空洞にはならない訳です。
また、こんな場合もあります・・・
そもそも具が非常に少ない場合、水分の放出も少ないので生地の膨らみが勝って内側にも良く伸びていて、結果空洞はできない場合があります。
しかしこれでは美味しくはありませんよね。
また、これとは真逆の場合もあります・・・
思いっきりカレーを入れて、生地の割合をかなり少なくすることで、空洞は目立たなくなります。
ただし、包むにはちょっとコツが必要ですけどね。
具だくさんのカレーパンなら、そもそも空洞など気にもならずに食べてしまうでしょうけどね(笑)
ということで、結論としては空洞はあまり気にしない、そして出来れば具だくさんにして揚げれば意外と空洞はできにくいということですね。
しかし、油で揚げるか焼くかでは、カロリーとしては確かに焼いた方がヘルシーであることは間違いないでしょうが、揚げたドーナツタイプの美味しさは何とも捨てがたいですよね。
どんなに健康には不向きであるとわかってはいても、それでも揚げ物が美味しいということだけは譲れないのは私だけではないでしょう(笑)
それと、カレーパン用のカレーって、やはりご飯にかけるカレーとはちょっと違います。
野菜や肉などの具材をプラスしたい時などがありますよね。
そんなときは業務用のカレーを使うと便利で、どんな混ぜ物をしてもべちゃッとならずに扱いやすいと思います。
また、我々が小さなころから慣れ親しんできた家庭の味、ハウスバーモントカレーですが、こちらもカレーパン用にアレンジされたものがあります。
ただし、2kg入りのものしかありませんので、たくさん作ろうとお考えの方には是非おススメ致します。
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