かぼちゃをたくさん頂いたので、大胆に使ったパン作りましたのでご紹介します。
生地にふかしたカボチャを混ぜ込み、成形にも生のかぼちゃをカットして入れていきます。
今回も冷蔵法にて作っていきますので、一度捏ねたら三日間くらいは楽しめますが、当然当日に全部焼いてしまっても問題はありません。
かなり甘い配合になっていますが、とてもしっとりとして美味しいパンになりますので、是非お試しください。
今回は小型の食パン型を使用して、食パンを作ります。
ではまず配合から
ベーカーズパーセントは、%の部分をグラムに変えれば、小麦粉の量が丁度100gになります。
小麦粉の量が100gの時の総合計量が229gになりますので、この何倍作りたいかで小麦粉の量を2倍・3倍と増やしていき、他の材料もそれに合わせて2倍・3倍と増やしていけばよいのです。
わざわざベーカーズパーセントで書いたのは、けして意地悪なのではなく、小麦粉の量を100として他の材料のバランスを見るというベーカーズパーセントの考え方を知ってほしいからなのです。
強力粉は何でも構いませんが、砂糖が多くかぼちゃも同時に練り込みますので、ある程度強めの粉を使った方がうまくいくとは思います。
もちろん国産小麦粉などを使っても構わないのですが、やや膨らみが弱くなるとは思いますので、その点だけご注意いただきたいと思います。
カボチャの種類によっては、色の付き方や水の量や捏ね加減が変わってくると思いますが、柔らかめの生地になるように水は調整していただきたいと思います。
今回頂いたのは千葉県の九十九里・・・ではなく、九重栗というくりかぼちゃで、ほくほくとしていて、黄色が美しいかぼちゃでした。生地に練り込むだけなら他のかぼちゃでも同じように完成すると思いますが、サイコロ状にカットして成形時に入れますので、ネットリ系のかぼちゃだと少し違った印象のパンになると思います。
生地作り
ボールに小麦粉・砂糖・塩・イーストを入れてよく混ぜ合わせ、そこに蒸し器で柔らかくなるまで蒸したカボチャを入れます。
カボチャは皮のまま大きめのざく切りにして蒸しますが、少量なら電子レンジでも構いません。
ただし、しっかりと柔らかくしておかないと捏ねづらくなりますので、蒸し器の方がオススメです。
蒸した後、必ず数分間冷ましてから捏ねるようにしてください。
カボチャの温度がどのくらいかを加味して、水の温度を調節するようにしましょう。
カボチャを入れたら水も投入して捏ねていきます。
カボチャが潰れて砂糖がなじんでくると、生地が段々柔らかくなってきますので、初めから水を全量入れずに、様子を見ながら足していくようにしましょう。
私の場合はいつもあまり捏ねないのですが、今回のように砂糖が多くしっとりとしたパンを作りたい場合は、ある程度一生懸命捏ねていく方が良いでしょう。
途中でショートニングを加えて混ぜたら、その後はあまり捏ねなくても大丈夫です。
ショートニングがしっかりと混ざったら、そこで終了していつものようにパンチで生地を作っていきます。
生地の温度は28℃くらいを目指してください。
発酵工程
捏ね上がった生地はそのまま捏ねていたボールなどに入れたまま、約20分ほど室温で発酵させます。
パンチ① 20分後にボールから取り出し、ややきつめに何度か丸め直します。
この時点からボールに残った生地はきれいに取り除いておいて、そこへ丸めた生地を入れて再び20分発酵させます。
これで40分の発酵となります。
パンチ② 20分後にボールから取り出した生地をきつめに丸め直し、またボールへ戻します。
これでパンチが2回、行われたことになります。
当然お分かりのこととは思いますが、生地の表面はなるべくきれいになるようにして入れて下さいね。
そして最後の20分発酵をとり、合計60分の発酵となります。
もし捏ね上げ温度が低くなったり、うっかり水を入れすぎて柔らかすぎる生地になってしまったら、膨らみが弱いかもしれません。
そんな時には発酵時間を追加して、膨らみをしっかりと確認してから冷蔵庫へ入れましょう。
冷蔵発酵
しっかりと膨らんでいることを確認したら、一度ある程度ガスを抜いてから冷蔵します。
何が何でも冷蔵庫へ保存しなければならない訳ではありませんが、この方が美味しくなりますし、二日から三日にかけて使用することが出来ますので、一度にある程度多めに捏ねておいて、数日かけて成形から行う方が効率的だと思います。
生地は冷蔵庫でも約3倍に膨らみます。
ですから、蓋から溢れないような入れ物を選んでくださいね。
ただし、ある程度ぎゅうぎゅうに入っていた方が生地には良いので、生地の量に対してあまり大きな入れ物を用意して、中がスカスカにならないように注意してくださいね。
発酵が終了した生地を出来ればステンレスか、あるいはアルミなどで出来たタッパーに入れて冷蔵庫で保存します。
もしプラスチックのタッパーでしたら、かなり膨らんできてしまいますので、冷蔵してから2時間くらい経過したら、一度しっかりとガスを抜いてあげてください。
このようにある程度高さのあるトレーなどにビニールやラップなどを敷いて、そこに生地を入れてビニール袋で包んで冷蔵すると良いでしょう。
冷蔵して数時間でかなり膨らんできますので、このように麺棒や手で生地をしっかりと潰してガスを抜いてください。
冷蔵中は膨らんでいない状態を保つことがとても重要となります。
冷蔵した生地は3日くらいで使い切るようにしてください。
成形と焼成
生地は冷蔵庫から取り出したらすぐに好みの重さに分割して丸めます。
温かい場所でベンチタイムをとり、生地の温度が20℃位になったら成形を行ってください。
サイコロ状にカットした生のカボチャを、伸ばした生地の上にたくさん乗せて巻いていきます。
カボチャは焼成中に火が通りますので、生のまま入れるようにしましょう。
生のカボチャは硬いですから、巻く際に生地が切れないように注意しましょう。
一度巻き込んで長方形になった生地を、やや平たく潰して今一度巻き込み(左端のように)型に入れていきます。
今回使用したのは9センチ角の正方形食パン型でしたので、生地重量は200グラムで行いました。
生地に角切りのカボチャが巻かれていますので、どうしてもオーブンでは伸びの悪い生地となりますので、最終発酵は大きめ(型の9分目)くらいまで取ってから焼くようにしてください。
また、型で焼かない場合は色付きの良い生地であることを前提とした温度設定にしてください。
カボチャそのものの美味しさを出したいと思い、あえて加工することなく生のまま使ってみました。
色鮮やかで、しかもとてもしっとりとしたパンになりました。
カボチャそのものは味がシンプルなので、生地の砂糖を増やしてカボチャの甘味が出るようにしてみたつもりでしたが、想像以上に美味しく完成しました。
皆様もぜひ一度お試しくださいね。